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KEN TANAKA

The CLASIK

2020年春夏コレクションから始動した注目の新進ブランド、〈THE CLASIK〉。その名が示す通り、クラシックなルーツを根底に温故知新な手法で生み出されるプロダクトが注目されています。本稿ではLAND OF TOMORROWとの邂逅でどのような化学反応が起きるのかを、担当バイヤーである田辺が紐解いていきます。

『ルーツを辿り引き継ぐ、モダンで上質な大人服』

−有り体な切り出しになりますが、LAND OF TOMORROWというウツワや会社としてのトゥモローランドに対する印象から聞かせてください。

田中さん(以下、田中 敬称略)「まず感じたのは価値観の親和性です。企業としてはエレガンスを基調としたベーシックな中にある核の強さ。それを表現している店舗がLAND OF TOMORROWという印象です。トレンドや過度な情報に左右され過ぎることなく、揺るぎない審美眼で店作りをされているな、と。トラディショナルを尊重しつつも今日的な感性を組み込むバランス感にはリスペクトの念と共にシンパシーを感じます」

−我々はお客さまに付加価値を加えてご提供することを大事にしています。LAND OF TOMORROWでは、ブランドタグをすべて外して並べたとしても来店された方がご納得いただけるようなラインナップとご紹介ができるように備えていますね。

田中「歴史的にみても原点となる定番ブランドから世界有数のメゾンまで並んでいますが、名前ではなくクオリティで括られている印象でした。そこに〈THE CLASIK〉も加えてもらえたのは素直に嬉しいですしモチベーションも上がります」

−〈THE CLASIK〉の服が持つ説得力は段違いでしたから。実際に見て袖を通せば分かる本物ならではの凄味を感じます。

田中「ありがとうございます。その反面、見た目が決してキャッチーな部類でもないので、EC販売などには向いていない部分もあります。この世界的なウィルス禍の中で価値観そのものが見直される中、”なくてはならないもの”でありたいという思いは再認識させられました。今後は更に、不必要なものはもっと不要になる時代が訪れるでしょう。私たちの作るものは長く着て愛されるものであるべきという指針があり、そこに真摯に向き合い続けることが大事だと捉えています」

−そのお考えにはとても共感します。〈THE CLASIK〉が醸し出す本物感は田中さんがお持ちのマインドや矜持によるものが大きいのだと思います。

田中「洋服には先人たちが連綿と紡いできた歴史があり、それがディテールや機能に宿ります。そのレガシーを現代的に解釈しモダンで上質なものに昇華していく作業をしています。実用性に裏打ちされた心地よさという必然を実現することで、共感して好きになってくれる方が増えてくれると嬉しいですね」

−生地選びやオリジナルの付属品の贅沢な使い方からも伺えるのですが、その手法を主語として喧伝しない奥ゆかしさに都会的な粋を感じました。着てみると黙って語りかけてくるような安心力があります。目の肥えたお客さまや店頭のスタッフから盛り上がってきているのも、そのようなルーツを体感できるプロダクトだからなのでしょう。

『デザインをする、という感覚に重きを置いていない』

−そんな田中さんご自身のルーツというかファッションの原体験はどのようなものなのか気になります。

田中「ファッションが気になったのは中学生くらいかと思います。今思えば当時からクラシックなものに惹かれていましたね。金銭的なこともあり入手経路は主に古着屋でしたから、そこで見つける海外の衣料には形や細部に必然性があり、内包された機能を発見するのは楽しかった記憶があります。特にイギリスのモノはその国自体や国民性などといったバックグラウンドも含めて、今でも興味は尽きません」

−芯がブレていないのはその頃から始まっていたということですね。古着からインスピレーションを受けて今もデザインすることはあるのでしょうか?

田中「デザインする、というよりも機能的な効果や意味を紐解いている感覚に近いです。温故知新と言いますか、引き継いでいきたいと感じる箇所を現代にブラッシュアップしていくイメージになります。表層的なデザインを模倣するのではなく、モダンに必然性を持って〈THE CLASIK〉らしさを投影していきたいなと。

−前述した本物感というのは、そういった必然性に紐付いたクラシックなベースが色濃くあったからなのですね。

田中「はい。だからこそトラディショナルなスタイルがお好きな方はもちろん、変にバイアスがかかっていない若い方々にも着てもらいたいです。ずっと寄り添っていけることを前提に服を作っているので、1シーズン着倒して終わるサイクルではなく、気付くと選んでしまうような一着を生み出し続けていきたいと考えています」

−やはり、ものづくりの根幹部分でシンクロする領域が多い気がします。今後の展望として共にどのようなことをしていけるかを練り込んでいきたいですね。

田中「単なる別注という範疇ではなく、トゥモローランドさんだからこそ実現できる、実現したい最上級のものづくりに興味があります。ある種のリミッターを外したチャレンジといった側面も込めて」

−いいですね。LAND OF TOMORROWとしてのフィルターを通した色展開やお客さまに提案したいカプセルコレクションなどは意欲的な試みになるかと思います。よりファッションも趣向性が高まっているので、オーダー会などを通したカスタム感のあるイベントも喜んでもらえるでしょう。これからも双方で良い刺激と関係性を構築していけたら幸いです。本日はありがとうございました。

>>The CLASIK 2020-21 FALL & WINTER

KEN TANAKA
”MARGARET HOWELL”メンズウェアの企画に携わり、2020年春夏コレクションから
”THE CLASIK”を立ち上げ、デザイナーを務める。